「ストレス」は世紀の大発明かもしれない

「ストレスとか感じたことないし」 「いや、そもそもストレスという言葉そのものが嫌いだし」

そんな風に30年、いや29年間思ってきたわけですが、 最近、案外ストレスも悪くないのでは? というかストレスって概念は大発明なのではないか?! なんて考えが僕の中で台頭してきました。

先日、いつものように家でJwave聞いていたら、 ソウ・エクスペリエンスのギフト加盟店でもあるヨハンボススポーツスクールのガールズキックというエクササイズが紹介されていたのですが、 スクールに通う女性3名のインタビューで誰もが「ストレス解消になる」と口にしていました。

それを聞いて普段なら「何言ってやがる」と思うところですが、 その日は「なるほど、ここまで皆が口にするストレスという言葉そして概念は、もはや発明と呼ぶに値するかもしれない」と、ふと感じたのです。

ストレスが発明だと思う1つ目の理由は、 精神的な苦痛を「ストレス」という、あたかも物質のように捉えることで、 「溜まったら、対外に捨て流すことができるもの」という認識を人々に与えていること。 生きていれば、そりゃ良いことも悪いことも起こります。 悪いことが起きれば、精神的に辛い思いをすることもあるわけですが、 それを「ストレス」と呼び、「後から体外に捨て去ることができるもの」と思うことができれば、 一時的な辛さも案外しのげてしまう気がします。

ストレスが発明だと思うもうひとつの理由は、 それが大きな大きな産業を形作っているということ。 先述のスクールに通う女性3人は全員「ストレス解消」と口にしましたが、 もし「ストレス」という概念がなければこのスクールは存在しなかったかもしれません。 いや、その可能性は高いと思います。 同じように、多くのスポーツやレジャー系施設、または旅行、飲食店、 これらの施設は「ストレス」という概念が定着した上で、 その「ストレスを解消する場所」として繁栄、存続している可能性は否定できません。

精神的苦痛がある生活よりは、精神的苦痛のない生活の方が望ましい。 けれど、まぁ生きていけば精神的苦痛を感じざるを得ないシーンがたくさんある。 ならばその精神的苦痛を「ストレス」という物質のように見える化、出し入れ可能なものということにして、身体的にも経済的にも取り扱いやすくしちゃおう!!

うーん、とても人間らしい、素晴らしい発明じゃないですか。