2km×450km、東北で見てきたこと

先週末の土日に東日本大震災の被災地を見てきた。僅かばかりの救援物資をエスティマに積めるだけ積み込んで。

無限に広がるのかと思ってしまうほどの惨状も目の当たりにしたし、 不便な生活を強いられている人にも会った。 「家は失ったし町の復興もしばらく無理だが漁だけは再開する」と意気込む漁師もいたし、 とてつもない被害を受けながらも何とか稼働させている仙台空港には心動かされた。

そんな情景を踏まえて色々書きたいこともあったけれど、 でも僕は被災直後のもっと悲惨な状況は見ていない。 身内や近しい人を亡くした方には、会っていない。

だから今でも、書くことを少し躊躇している。 でもせっかく行ったのだから何かしら書き残したいし、発信したい。

というわけで僕は2つだけ書くことにした。

1つ目は「2km×450km」。

あの日の津波では、場所によって差はあるけれど、 沿岸部から約2kmくらいまでが、福島から岩手まで延々と450kmほど、全て流された。 2mでも20mでも200mでもなく、2km。 その事実に今一度目を向けるべきだと思う。

もうひとつは「人生の1%、99%の瓦礫」。

津波に流された場所が今どうなっているかと言うと、瓦礫の山と化している。 今回の旅で、2日間の旅で、僕らは信じられないほどの瓦礫を見た。 家の、スーパーの、コンビニの、車の、飛行機の、船の、ありとあらゆるものの瓦礫。 これまでの、そしてこれからの人生において見るであろうすべての瓦礫の99%以上を、 時間的には僕の人生の1%にも見たないであろう2日間で見た。 そう言っても決して過言ではない。

原発が大変だ、それはよく分かる。 震源地が南下してきている、確かにそれは怖い。

でも、憶測や風評や煽動や非難ではなく、 まずはこの厳然たる事実を少しでも認識することから始めていきませんか。

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