いい男、いい男、ほんとはどうでもいい男

「いい男、いい男、ほんとはどうでもいい男」 なんていう酒の席のコールが昔あったけれど、 あれは結構本質を突いてるかもしれないな、と思う。

やっぱり、何にでも「良いですね」って言う人って怪しいし、 「こいつホントにそう思ってるのか?何も考えていないのか?」 なんて勘ぐってしまう。

何か新しい商品を作ろうと思った時に、 色んな人が色んな意見を言ってくれる。 でも全部の意見を取り入れていると、 何だか途中でトゲがなくなってしまうことがよくある。 自分でもそういうことがよくあったなと、これは自戒の念。

人の好き嫌いも同じかもしれないな、なんて思う。 みんなと、誰とでも仲良くできるのは才能かもしれないけれど、 やっぱり好き嫌いはっきりさせて、 好きな人とだけ会っていく、ちょっとくらい偏っている方が、 面白い人や面白いネタに出会いやすいよね。

でも、そんなこと言いながらも、 自分の子どもにはやっぱり「誰とでも仲良くしなさい」と言うんだろうなと思う。 はじめから「好きな人とだけ付き合いなさい」とはなかなか言えないからね。 でも、「誰とでも仲良くしなさい」という教えからはじまって、 その中で「いや、みんなと平均的に仲良くしていたらつまらない大人になる」 ということを自分の力で自覚してもらって、 その葛藤を経て好きな人と付き合っていく。 そんな風に学んでいって欲しいし、 そいういうプロセスを、後世にも再生産していって欲しいと思う。

「いい男、いい男、ほんとはどうでもいい男」 大半の人にとってはどうでも良くても、 一部の人にとってかけがえのない人になれれば良いじゃないですか。

「世界を相手に」なんてことがどこでも叫ばれているけれど、 そんな今こそ僕は、僕らは、固有名詞のあの人を相手に、 固有名詞のあの人をワッと驚かせたいなと思う。