「くるくる市」を侮るなかれ

詳しくはこれからのアウトプットで表現していこうと思うが、 最近僕らは「体験ギフトの再発明をしよう」ということで 全社一丸となって生みの苦しみを味わっている。

そのためにはギフトや体験ギフトについてもっともっと考察が必須で、 考察の最良の方法は歩くことと書くこと、 というわけでBlogの更新を再始動した。

考えを整理して記事という形で頭から取り出すと、 そこにスペースが生まれてまた入ってくる、、、、 のかどうか知らないが、先日面白い取り組みを発見したので記しておこうと思う。

その取り組みとは葉山の町役場で行われていた「くるくる市」というものだ。 ふんわり系の名前に騙されてはいけない!!! とにかくなかなか侮れない代物だと僕は感じたので、ぜひ先までお読みいただきたい。 (文末に写真も多少あり)

箇条書きで大まかに内容を説明してしまうと、 ・くるくる市は年に2回、町役場で開催されている ・開催時間中、葉山近辺に住む各家庭が不用品をそれぞれ持ち込む (多くの家庭がIKEAの大きな青い袋を1-2つ一杯に持ち込んでいた) ・内容は洋服、食器、雑貨、本、靴、玩具、、、など基本的に何でもok ・会場に着いたら不用品を受付で丸ごと渡すだけ(一部はじかれるものもあり) ・あとは会場スタッフが「洋服」や「食器」などセクションごとに並べる ・何かを持ち込んだ人も、そうでない人も、会場に来た人はそこに並んでいるあらゆるものを好きなだけ持ち帰って良い (持ち帰りの際に持ち帰り品の計量だけ行われる) ・費用はかからないので文字通り持ち帰り放題 というものだ。

僕は初めての参加だったのだが、 これがとにかく多いに盛り上がっていて会場に立ち込める熱気が印象的だった。

我が家のメンバーも、妻は色々子ども服や僕の家着を物色していたり、 一緒に行った隣人のドイツ人も「楽しい楽しい」と言ってトイレで試着をし続けたりして、 結局会場に2時間くらいいたのではなかろうか。 僕もBarAfriqueに飾れそうな素敵な器を2つもいただいてしまった。

なぜくるくる市がこんなに盛り上がるのか。

ほんと、そこらのフリマなどよりもはるかに、 まるでどこかのライブ会場かのような盛り上がりだったのだが、 その理由を僕なりに考えたところ3つのポイントがある気がした。

1. 金銭のやり取りはゼロ やはりタダというのは凄い。 「タダより高いものはない」という言葉もあるが、 タダならもらいたいというものだって、やっぱりたくさんある。

2. 持ち帰り不要(持ち込みっ放し) 今回失敗だったのは、我が家は何も持ち込まなかったことだ。 これは僕の「どうせ大量に(持ち込んだものの引き取り手が見つからず) 持ち帰ることなるからまずは手ぶらで行ってみよう」 という言葉が原因だった。 もし持ち帰り不要と知っていたら間違いなく不用品を持ち込んでいたし それ故に会場には多くのものが集まってきていた。

3. 20-30分で会場内の品物が様変わり 開催時間中、多くの近隣住民が次々と不用品を持ち込んでくる。 一方で次から次へと様々なものが新たなオーナーに引き取られていく。 結果として会場にあるものは刻一刻と変化していくのが実に面白かった。 お金は全く動いていないが、 「おーーーーー、何だか経済が動いている!!!!!」 という感じがした。

話は変わるが2週間ほど前に生まれて初めてギフトショーに行ってきた。 今は少し勢いを失っているが、とはいえ今でも国内最大規模の様々な物品の見本市だ。 それはそれで面白かったのだが、 僕は「くるくる市こそがより本質的なギフトショーではないか」と思った。

だって、いくら不用品とはいえ、 多くの人が「これは誰かの役に立つかも」と会場に持ち込み、 それを無償で提供し実際に引き取られていくのだから、 贈り物・ギフト的側面は少なからずあるのではないか。

ギフトショーは今後こういう要素を少し入れたら面白くなる気がするし、 逆にくるくる市がビッグサイトレベルの規模で行われたら一体どうなってしまうのか、 それはそれで想像してみるとカオス過ぎて楽しそうだ。

以上、簡単ではあるがくるくる市の簡単レポでした。 そしてこういうところにも「体験ギフトの再発明」に向けた ヒントがあるのかなと思いつつ今日も一生懸命頑張ります。

補足: 持ち帰ったものの元のオーナーは分からない →感謝の気持ちを特定の個人には向けることはできない →恐らくその気持ちは本イベントを企画した町に向かう というわけで町の振興策としてもとても良いなと思った次第。

IMG_0696 ふんわり系ののぼり。

IMG_0698 ふんわり系の入り口。

IMG_0694 でも中身はふんわりしてないぜ。

IMG_0695 こんな風にセクションが分かれてる。

IMG_0737 僕がいただいた器。ありがとう!>前オーナー。次回は必ず色々持ち込もうと思う。