ベーシックインカムを今より少し身近に感じる1つの空想と1つの考え方

仕事をしていて少し行き詰まったので、ベーシックインカムについて最近ふと思ったことを書き記しておこうと思う。

そもそもベーシックインカムとは何かについて簡単におさらい。

ベーシックインカム(basic income)とは最低限所得保障の一種で、政府がすべての国民に対して最低限の生活を送るのに 必要とされている額の現金を無条件で定期的に支給するという構想。 基礎所得保障、基本所得保障、国民配当とも、また頭文字をとってBIともいう。(Wikipediaより

僕はベーシックインカムには大いに賛成で、 ・技術が発達して社会は十分に豊かになった ・故に「人間は労働しなくてはならない」という考えは過去の話になりつつある ・日本のように人口が多く社会保障が比較的手厚い国では税制が複雑過ぎてもはや誰も全体像が分からないので一度どこかでシンプルにすべき というのが主な理由だ。

既にフィンランドやスイスなど一部の国では 実現に向けて国民的議論が始まったりしているようだが、 日本ではまだまだ、少なくとも30-40年くらいはかかるだろうなと割り切ってもいる。

それは「人間は働くものである」という価値観は やはり今を生きる我々の意識に非常に強力に刷り込まれていて、 これは少なくとも1世代くらいは入れ替わらないと 到底社会的合意を得られないと思うからだ。

なので、それが少しでも早まったら良いなという思いを込めて、 「いやベーシックインカムって一見クレイジーに思えるけど、 こう考えると案外普通だよね」 という無責任な提案だと思って読んでいただけると幸い。

1.もしロビンソン・クルーソーが圧倒的技術と共に無人島に漂着したら

ロビンソン・クルーソーのようにもし無人島に漂着したら、 生きるためにはまず釣りでも狩りでも木の実採取でも良いので 食べ物を手に入れなくてはならない。 でも、もしそこに圧倒的な技術があったらどうなるだろうか。 (強引だけれどコミュニケーションに関する技術だけ存在せず、 誰かに助けを呼んだりはできないものと仮定)

獲物捕獲ドローンが魚や鳥や木の実を捕獲・採取してきてくれる。 調理ロボがそれらを美味しい料理に調理してくれる。 (無人島だし、洗い物とかは木の皿とかを使い捨てでいいかな) しかもエネルギーも太陽光や風力でふんだんに生成されるので、 ドローンやロボの動力に困ることはない。

そしたらロビンソンはどうするかというと、 多分遊んで暮らすはずだと思うのだ。 だって食べるための労働は全部ドローンやロボが済ませてくれるので、 ロビンソンは詩を作ったり、歌を歌ったり、 もしかしたら釣りをするかもしれないが、 それは生きるためではなく趣味としての釣りになるだろう。 魚の標本とかも作ってしまうかもしれない。

これは空想の話だが、今の世の中は実はこの空想に近くて、 今を生きる僕らはこの空想物語の中のロビンソンみたいなものだと思うのだ。 現実の世界には人が何億人もいたり、 価値をお金が媒介したりしていて色々ややこしいが、 根っこの部分ではやっぱり社会は圧倒的に進化しつつあって、 僕らは技術力満載ロビンソンと極めて近い存在になりつつある。 であればロビンソンのように遊んで暮らすというのは現実的な選択肢だと思うし、 それは最低限の生活が保障されるベーシックインカムと近い気がするのだ。

2.「ベーシックインカム=国民皆生活保護」論

日本には既に生活保護というセーフティネットがある。 生活保護の在り方の是々非々は色々あるのだろうが、 今、生活保護の受給割合というのはトップの大阪で5.5%くらい、 東京が平均で3%強で、全国平均だと3%弱という状況だ。

3%というと一クラスに1人という感じなので 結構多いなというのが僕の率直な印象なのだが、 ベーシックインカムというのは生活保護の受給条件を究極的に緩くして、 誰でも受給できるという状態にしたもの、 つまり「ベーシックインカム=国民皆生活保護」と 考えてみるのはどうだろう。引き続き大胆ではあるが、 ベーシックインカムという黒船が襲来すると考えるよりも 今ある政策の拡張ということで何となく手触り感が出てくるのではあるまいか。 そうでもないか、、?

以上、かなり思いつきで書いた空想論だが、 少しでも皆さんの脳内整理のお役に立てれば幸いです。

(ちなみにベーシックインカムが本当に導入される一方で Amazonとかがどんどん便利になって必要なものが自動的に届く、 「購買」というよりも「超効率的配給」のようになっていく中でこそ、 僕がやってる体験ギフトのような無駄で余分なものの価値が 高まり続けていくと思っているのだけれど、 そこら辺の話はまた別途書きます)