ネガティブからポジティブに昇華する言葉

元来のネガティブなイメージを取り払い、時を経てむしろポジティブなイメージを醸し出す言葉がたまにあります。

例えば「訳あり」。 元々は「訳ありな関係」とか「訳あり物件」といえば、異性問題や殺人事件のあった家など、できれば避けたいというニュアンスが含まれていました。

でも最近の訳ありと言えばお煎餅の切れ端で従来は捨てられていたような部分を袋詰めにして安く販売したり、ぐぃんと曲がっているキュウリを訳あり野菜と称して売られたりしている。いわゆる「エコ」とかとも近い概念として認識されているのかな。 恐らくこの先駆けとなっているのは、無印良品の「わけあって、安い。」というコピーでしょう。

もう一つ例を挙げると、「いい加減」という言葉にも魅力を感じます。

これは黒崎さんがよく話していて僕も感化されたのですが、いい加減というのは「あいつはいい加減なヤツだ」といった形で、今でもネガティブな表現に使われています。

でも「さじ加減」とか「お湯加減」という言葉もあって、料理でもお風呂でも、その時の体調や天気などによって身体の感じ方や火の通り方なども変わっていくし、ひとつの固定された答えなんてあるもんじゃないという意思を、この言葉の中には感じることができます。

なので「いい加減」は「良い加減」。 加減を知らずに殴って人の命を奪ったり、加減を知らずに売上だけを追求して大きくて儲かってるけど社員は全然幸せじゃない会社があったり、そこには「良い加減」が欠けている気がします。

「いい加減」は「良い加減」。