96歳おばあちゃんの異動

葉山によく行く蕎麦と寿司の美味しいお店があるのだが、昼にそこの美味しい鉄火巻きが食べたいとふと思い突如家族で行ってきた。いつも入り口に立ち出迎えてくれていた96歳のおばあちゃんの姿が見当たらなかったので、食事の最中に訊ねたら厨房で皿洗いをしていると。いよいよ耳が悪くなってきたので最近はあまり表には出てこないらしい。そんなおばあちゃんでも、耳が遠いなりにできる仕事を今でも毎日こなしていることに頭が下がる思いがした。 他のスタッフでおばあちゃん分の仕事をやりくりするのではなく、かといって新しい人を雇ったり機械で代替したりするわけでもなく、おばあちゃんが異動して皿洗いをしている。それは関係者全員にとっての100点満点のアンサーではないかもしれないが、店内にいる限り不穏な空気はまったく感じなかったし、いつも通りの家庭的な雰囲気と美味しい料理がそこにはあった。 効率や合理性のすぐ側にある少しズレた均衡点、、、僕はそういうものにとても関心が強いので今日もそんなシーンを垣間見ることができて嬉しかった。 ちなみに最後はおばあちゃんが出てきてくれて、汚れを落とせるよう60度のお湯で洗っているから大変なんだよと、全く変わらずいつもの調子。うーん、やっぱり最高!