諦めとご機嫌さ。

激しい一日でしたが、ようやくゆっくりできる時間を迎えたので、皿洗いをしながらふと思いついた「諦め」と「ご機嫌さ」について書こうと思います。

家族やSowExperienceの仲間にはよく知れたことですが、僕は基本的にいつもご機嫌です。いつもテンション高いというわけではないけれど、機嫌が悪いことは滅多になく、いつもご機嫌ゴキゲンです。 例えば昨年から今年にかけて、SowExperienceの主要なメンバーが続々と会社を去りました。そして去ろうとしています。 「おいおい大丈夫か?」と周囲からは大いに心配されましたが、僕は特に慌てることもなくノホホンと毎日過ごしてきました。 そして僕には1歳半の小さな子どもがいて、妻も忙しく働いているので、保育園(正確には保育ママ)の送迎や食事風呂など、当然ある程度は子どもの面倒を見なくてはなりません。 僕は僕で最近は結構忙しくしてるので子どもの世話はそれなりに大変なのですが、決して苦労しているわけでもなく、ふたりでいる時はいつもキャッキャと騒ぎながら楽しく過ごしてます。

このふたつに共通するのは、ある種の諦めなのかなと思っています。 気の合う有能な仲間にはできる限り今後も一緒に仕事をしてもらいたい、そういう気持ちはもちろんあるけれど、でも新しいことにチャレンジしたいのも人情だろうし、それはそれで仕方ない、いってこい! 子どもの世話をする時は、彼らの有り余るエネルギーに対処するには全力で立ち向かわなければならないし、ある程度(このある程度が一般よりも大きいと思うのだけれど)時間を割かねばならないことを「そういうもんだ」と割り切っているので全く気になりません。

自分で言うのも変だけれど妙に潔い諦めと、それを踏まえて限られた人員や(ちなみにSowExperienceのスタッフ数は増えているのですよ^^)時間の中で、いかに最大限パフォーマンスを発揮するかが僕の関心ごとであり、自分に課している評価軸なのです。 だから一般的に見て不利だと思う状況も「しょうがない」と思い、それを踏まえて「じゃ、どうしようか」を問い、少しでも良いことが起きたら「ラッキー」と思える。 恐らく、ここに不機嫌が入り込む隙がないのでいつもゴキゲンなのだと思います。

こう書いてみると、世の中を変えていく起業家の発言とは思えませんね笑 でも、会社は着実に成長してますよ。これは自身をもって断言できます。

何となく思うのですが、僕の考え方と言うのはとても東洋的なのかもしれません。 諸行無常という言葉がありまして、仏教用語なのですが、どうせあらゆる物事は全て移ろい行くのだから一喜一憂するのはやめて時が経つのを待ちましょう。そんな考えが諦めの更に奥にはあるような気がします。 「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」の出だしで有名な鴨長明方丈記に記されているのも諸行無常と似たような考えです。

逆に、昔から大好きなイギリス人起業家は"We can change the world"ということをよく言っていて(似たようなタイトルのエリック・クラプトンの歌もありますね)、またはスティーブ・ジョブズが当時ペプシCEOだったジョン・スカリーAppleに誘う際の「一生砂糖水を売っているのか」という言葉に代表されるように、やっぱり多くの人(特にビジネスマン)にとっては、自分の意中通りに状況を操ることがカッコいいことであるようですが、そのスタンスだと思うようにいかないこと=失敗であり、不機嫌になる場面も多くなりそうです。 多くの人は、ジョブズのようにはうまくできませんから。それにジョブズだって、きっと、1の成功の裏には99の失敗があることを忘れてはいけません。

なんて書いていたらちょっと説教くさくなってしまいましたが、今よりもっとご機嫌な社会を夢見る30歳男子の戯言ということで見過ごしてくださいませ。