淀川長治の“愛”についての講義が素敵です

『大人の学校 入学編 (静山社文庫)』という本をつい先日暇つぶしに買いまして、糸井重里淀川長治野田秀樹が20年近く前に30分×5回の講義をした時の議事録をまとめたものなのですが、中でも淀川長治の講義の愛に関する発言がなかなか素敵なので、以下抜粋です。

『愛というものがあるからこそ、人間は美しく生きられるんだと思います。愛のない人間は汚い。お金だけで行きている人間は汚い。アメリカの言葉にもあります。「All that money can buy」、金で買えるすべてのもの、それは悪魔でも買える。しかし・・・金で買えないものを持っているのが、人間。それは、愛ですね。愛は金では買えませんね。そういうことも映画から教えられました。』
『映画は、ただ娯楽というだけじゃなくて、いつでも人間勉強させてくれるので、私は映画に命をかけました。ちょっと大げさですけど、映画への愛が今日の私を作りました。 (中略) そして私は、映画から3つの言葉を学びました。「がんばれ、苦労、来い」。二番目は「他人歓迎」。“他人”という言葉を持ちなさんな、みんな仲間と思いなさい、映画は、そう言っていました。 もう一つは「私はいままで、嫌いな人に一人も会ったことがない」。「I never met a man I didn't like」。これは難しい言葉ですね。けれども、映画を見ていて、こういう言葉が出てきた時に、私はメモしました。家に帰ってから、それを身につけようとして、身につけようとして、今日まで来て、どうやらどんな人とも仲良しになれる気持ちになりました。愛というものは、本当に、豊かな人生をもたらしてくれます。』
大人の学校 入学編 (静山社文庫)
大人の学校 入学編 (静山社文庫)糸井 重里 淀川 長治 野田 秀樹 川崎 徹 荒俣 宏 天野 祐吉

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