零細商店とグローバル企業。

Esquire日本版が最終号ということで、久しぶりに購入してページをめくっていたら、ジャスパーモリソンのインタビュー記事で「小さな商店で買い物をすることは社会貢献でもある」と書かれていた。確かにその通りかもしれない。チェーン店ではなく地元の小さな商店には、 ・地域経済の活性化 ・地域ごとの多様性の確保 ・リスクヘッジ(マツキヨではマスクが売り切れでも○○薬局には十分ある、とか) ・本当の意味での「まちのホットステーション」(初めて訪れた場所でローソンで道を聞いてもアルバイトの人だと意外と分からないことが多いが、地元のベテランおばちゃんとかオーナーとかだと「あー○○さんね」とすぐ分かったりする) などなど色々なメリットがある。 ▼一方で大企業やグローバル企業を「文化の画一化をもたらすブルドーザー」などと揶揄して批判すべきではないと思う。 最近どこかのBlogで読んで気づかされたのだが、アフリカの多くの最貧国というのはグローバル企業に搾取されて貧しいのではなくて、むしろその真逆で、グローバル企業の活動やグローバル経済に組み込まれていないからこそ、貧困から脱することができないのだ。 アジアの新興国が発展したのは、日米欧先進国よりも安い農産物や工業製品を生産・輸出し、安価でコールセンター業務を請け負うなど、グローバル経済に組み込まれたからこそお金が巡り、発展を遂げてきた。当然、戦後の日本だってそうだった。 ▼家の近くにある駄菓子屋が、2年ほど前に店じまいをした。店構えからの類推だが、恐らく40〜50年はやっていたのではないかと思う。 あの駄菓子屋のように、すべての店や商売が小さい範囲でしか活動をしていなかったらと思うと、今も日本は最貧国のままだったのではないかという気がして、ちょっとぞっとする。 でも、今の日本で、この町で、あの駄菓子屋がなくなってしまうことは、とても残念に思う。 なんだ、この相反している複雑な気持ちは。