We have.

先日、遠路はるばる熊本から20歳そこそこの若者が僕の仕事を見学しにやってきた。近々自分で事業をやりたい、と。 普段なら「早くやっちゃえ」とすぐ口走るのだが、話を聞いてみると彼の実家は阿蘇でガソリンスタンドを運営していて、アルバイトも雇わず彼含め家族4人で経営しているという。 最近は田舎にもセルフが増え、しかもそもそも農協の影響が強いエリアで農協母体のGSもセルフにし始めてジリジリと商売が縮小しつつあると嘆いていた。 九州はアジアのハブとしての地の利も良いし可能性はあるのでは?なんて話をはじめはしていたが、ふと気になって5分だけGSをどうにかできないか考えてみようと話し始めたら、アイディアが色々出てきて10分後には「これいけそうですね」と大盛り上がりしていた。(例えば洗車技術を活かして、道具を詰め込んだバイクで自宅に出張洗車+αしてくれるサービス等どうでしょうGS運営の皆さん) 「決定権を持ってるおばあちゃんに、帰ったらすぐ相談してみます!」と希望に満ち溢れてかれは帰っていった。

話は変わり、最近のソウ・エクスペリエンス。 昔から頼りにしてる後輩が縁あって最近仲間に加わってくれ、良い感じに社内をかき乱してくれている。おーこんな感じを待ち望んでいたのだよ! もうかれこれ10年くらい知ってるし、会社設立以降もずっと色々相談に乗ってもらったりして比較的近くの存在だったわけだが、こうして完全に内側に入ってもらうとまた違う良さが大いに発揮されて大変面白い。 更にいうと彼発信で進めてくれてるいくつかのプロジェクトも、元の事業の良さをムダなく発揮できる違和感ないもので、しかもどれもアイディアとしては昔からあったものだけに、どうして既にやっていなかったのかと悔やまれるくらいだ。

ないものを手に入れることも重要だ。 でもあるものを隅々まで点検して光を当てていくことはもっと大事なことかもしれない。 でも、きっとそれは自分一人では不可能で、他者に自分を曝け出すことから始まる気がする。新渡戸稲造が武士道を、岡倉天心茶の本を、外国で外国人に触れながら外国の言葉で書き上げたように。 外国に行かずとも、自分に興味をもって質問してくれる他者と関わること、これが常に面白さをもたらすのだねきっと。