黒崎さんとの思い出ー⑤何が問題かが問題だー

金曜日、黒崎さんの着ていたウールのセーターを、僕に似合いそうだからとオフィスまでわざわざ持ってきてくれた友人がいた。

そこでまた、ひとしきり思い出をしていたのだが、

何が問題かが問題だ。
What is the problem, is the problem.

黒崎さんはよく、そんなことを言っていた。
人は問題を解くことに夢中になりがちだけど、問いを作ることや、自分の中で追い求め続ける問いを持つこと。
大事なのはこういうことだ。
多分それをいろんな形で訴え続けてくれていたはずだし、それは黒崎さん自身が狂気的なまでの実践を通じて、お手本を見せてくれていたのだと思う。

イデーの掲げていた「生活の探究」は黒崎さん自身の問いそのもの。
それ以外にも人との関係性のつくり方とか、粋であることの要素とか、流石と言われる振る舞いとか、常に複合的な問いを携えていて、問い⇄実践を行ったり来たりしていたような気がする。
実践の方法が何かと”会社をつくる”という形態を取るが故に、いとも簡単にサクサク会社をつくるし、僕も常に何かしら出資を求められるし、いくつかは応じてきたのだが。

そして僕自身も10年20年単位の問いの軸を常にいくつか持っており、それについて黒崎さんとの話すことも多かったが、残念でならないことが二つある。
ひとつはアフリカ。Arigatoは名前がいいね、行きたいねと黒崎さんはずっと言ってくれてた。
世界中の多くの場所は黒崎さんから案内されてばかりで、アフリカは僕が案内できる数少ない場所だったのだが、結局お連れすることができなかった。
そしてもう一つは、僕も黒崎さんも大好きな福澤諭吉。
そのスピリットを語らい合う場をつくりましょうとずっと話していたけれど、実現できずに終わってしまった。

後悔しても仕方ないが、さっさと動かなくてはなりませんね!
添付は3年前、僕がプレゼントした福澤諭吉展の図録をじっくり眺める黒崎さん