銃規制

NBAは東西の勝者が決まり、いよいよこれからファイナルが始まるところですが、先日大事な試合前インタビューでウォリアーズのヘッドコーチであるスティーブ・カーが小学校での銃乱射事件を受けて行ったスピーチは物凄い迫力でした。 「今日はバスケの話をしない。なぜ我々はこの繰り返す悲劇をやめられないのだ。これ以上遺族が悲しむ姿を見たくないし、黙祷もしたくない」 そういったことを怒りに震えながら切実に訴え、実際にバスケの話は一切せず、話し終えたらその場を立ち去りました。レバノンで大学長を勤めていた彼の父親が、かつて銃で命を奪われた過去も少なからず影響しているのかも知れませんが、それにしても魂揺さぶられるスピーチでした。

アメリカ前大統領は同日かその前後、事もあろうかライフル協会の大集会で「こうした事件が起きないよう、教員の銃武装を急ごう」と訴えており、普通に考えていよいよ狂っているとしか思えないのですが、一方でカナダでは一気に銃規制が進みそうな気配で、状況は大きく異なるようです。国の規模が違いますし僕は規制に至るプロセスの政治的難易度の違いなど詳しいことは分かりませんが、一体この差は何なのか。ライフル協会の集会そのものは前大統領が来ることもあり銃の持ち込みが禁止されていたようですが、その事実こそが進むべき道を最も端的に指し示しているように思えてなりません。そしてスティーブ・カーのスピーチ、本当に凄いのでぜひ探して見てみてください