決める。転がす。

「決める」「決断する」というのは勇ましいしカッコいいのですが、時には今すぐ決めず脳内や自分の周辺で転がしておく方が良いこともあります。もちろん逆に、転がさずに決めるべきことや決断すべきタイミングというのもあります。「これでいこう!」という決断内容は大事だけど、決めないことを決める、つまり暫く転がす判断というのも結構大事ではないかと思っています。

決まるまでって不安だし、皆の意見やビジョンも揃っていなかったりするので気持ちが落ち着かないものですが、内外の知見も集約しながら熟成させていくプロセスによってより洗練されていくアイデアというのは確実にあります。むしろ初期のアイデアなんて概ねそんなもので、それらを他者に話せども理解されず、でも質問を受けたり答えたりしているうちに考えが整理され輪郭が浮かび上がってくる。そういう性質のものだと思います。

一方で機は熟して決断すべきタイミングなのに、それをせず転がし続けることによって無為な時間を過ごしてしまうケースも結構あります。「時間がかかる」というのはそれ自体でも工数や人件費的にコストですが、それ以上に問題なのはサンクコストが大きくなり過ぎて失敗を認めづらくなってしまうこと。時間をかけるほど、失敗が許されなくなり更に時間をかけて慎重に検討する、その悪循環が問題の本丸なので(MRJ。。)やはり決断のタイミングは見極めてサッと決めなくてはなりませんね。

別に誰かに何かの主張をしたいわけでもなく、自分自身、「決める」「転がす」双方に色々な失敗や反省があるので、それを踏まえてより良いジャッジをしていけるよう自戒しながら書いているのですが、強いて言えば「決める」ことの方が大事な気がします。というのも「転がす」というのはあくまでも、いざとなれば「決められる」ことが前提の上での話なので。そして、より大事なのは「今は決めるべきか、待つべきか」を意識して事を前に運んでいくことかなと思っています。(ちなみに日常的な会話でよく繰り広げられる「いつか◯◯したいです」「機会があれば◯◯」みたいなものは、その9割以上は「なぜ今すぐやらないのか?」「すぐやっちゃえば(それがうまくいこうともいかずとも良い経験値となり)より面白い展開が待ってそうなのに」という類のものが大半な気がしています)

ちなみにこのテキストそのものも、以前書いて文字通りメモ帳上に転がしておいたのだけれど、何となく気が向いたので投稿。何か参考になれば幸いです。