価格の上方硬直性と労働市場と二足のワラジ。

▼賃金に下方硬直性があるというのはよく知られた話ですが、先日の日経ビジネスに「価格の上方硬直性が現れ始めている」という記事があって、少し興味深かった。 いわく、例えばトヨタ自動車リーマンショック前、どんどん需要が高まっていった。経済学的に考えると需要が増えたのだから価格が上がることで需給の均衡点が再び達成されるはずだが、価格は据え置かれて生産(=供給)を増やすことで需要増に対応した。 一方でリーマンショック後、需要は一気に停滞したが価格は下げられることなく引き続き据え置かれ、生産能力を300万台分引き下げることでしか対応できなかった。 つまり価格の弾力性がまったくなく、生産量を上下することでしか需要の増減に対応できなくなっているようだ。 こうなってくると経済学の前提を疑わざるを得なくなってきますね。

労働市場でも似たようなことが起きている。 池田信夫さんの本をダイヤモンド加藤さんにいただいて拝読したのだが、現在の日本の法律ではいったん雇用した社員を解雇することが非常に難しくなっており、更に一旦決めた賃金はなかなか下げることができないことから、新規雇用が極端に減って多くが変動費として処理しやすい派遣にシフトしている。 これが労働市場流動性が全くもたらされない最大の要因のようだが、かといって法律ががらっと変わるとも思えないので、たとえ派遣社員でも二足三足のワラジをはくなどして自ら生活を防衛していくのが最良の手段だし、やっぱり相当楽しいのではないかと思ったりもする。

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