▼ニュースでよく出る「犯行の動機」というフレーズと、僕が取材等でよく聞かれる「起業のきっかけ」という言葉には共通するものを感じる。 それは「一言では語れない」ことだ。 例えば僕の起業には決してきっかけに該当するような何か出来事や事件があったわけではなく、なんとなくそういう方向に導かれるままにやってきた。 もちろんその中にはきっかけになり得るような楽しいことやワクワクすることが盛りだくさんだが、どれも決定的ではないし、逆に全てが合わさった結果として起業するに至ったとも言える。 ▼一方で犯行の動機は、最近頻発している通り魔事件などは特に、「金目当て」とか「(殺害した相手に対する)憎しみ」といったような特定の動機があるわけではなく、もはや犯行を起こした本人でさえ説明ができないことが多い気がする。 彼らの場合も、何かしら嫌なことがあったのだろうが、どれも人を殺してしまうほど決定的ではなかった、けれどその全ての積み重ねが犯行をもたらしたと言えそうだ。 ▼起業のきっかけは「◯○です」と簡単に語れないくらいの方が力強さを感じさせて良いと思うのだが、その分、犯行の動機がはっきりしないのは問題の解決の難しさを物語っているような気がする。 特に何か解決策があるわけではないのだが、こういう風に自分と絡めて世の中を見ていくと「認識力」がアップするので、とりあえず問題意識の提示でした。