早期発見・早期治療が巡り巡って死をもたらす(こともある)。

▼母親の入院に伴い、医療や医療制度に対する関心が高まっている今のうちに、感じたことや調べたことを記しておこうと思う。 経験を通じて興味が喚起され、その興味に乗じて学習するというのは自分なりの効率的な学習スタイルだ。 いろいろ書きたいことはあるが、今日は一つだけ。 ▼手術等で身体にメスを入れたりする行為は、身体に多かれ少なかれダメージを与える。 言われてみれば当然のように思えるが、にもかかわらず現代の医療は早期発見・早期治療に突き進んでいる。 早期発見を急ぐあまり、まだ身体に何ら支障をもたらしていない小さな腫瘍を発見してしまい、一生放置していても問題なさそうな小さな腫瘍なのに、摘出手術をして逆に身体に負担をかけてしまうといったことが起きているようだ。 もちろん難しい判断なのは間違いないが、非常に示唆的だなと思った。 どんどん早期発見・早期治療を推進して、医療費がかさみ続け、結局は医療制度が崩壊して、今話題の『シッコ』で描かれているように治療や手術を受けられずに死亡する人が増えたりしたら、元も子もない。 そんな中、決して裕福ではないが先進的な医療制度を構築しているキューバに注目が集まっているようだが、それについてはまた別の機会に書こうと思う。