事業を如何に定義づけるかが長期的な盛衰を左右する。

自分の手がけている事業をいかに定義するか。 これはとても大切な問題だと、僕は思っている。 具体例をあげながら説明する。 ▼例えばセコム。 創業者の飯田さんは、それを単なるセキュリティ事業とは捉えずに、安心・安全産業であると考えた。 その延長線上のココセコムであるし、今力を入れている介護事業であるし、最近では刑務所の運営を地方自治体から受託したりした。 セコムと同じセキュリティ事業を手がけている会社としては、綜合警備保障やCSP等があるが、これらの企業はあくまでもセキュリティ会社に過ぎない。 ▼続いてソフトバンクソフトバンクの創業時の事業はソフトウェアの流通業だ。 しかし孫さんは、その事業を単なるソフトウェアの卸事業であるとは考えず、デジタル情報インフラの一つであり、突破口であると捉えていた。 そしてその後は、試行錯誤を繰り返しながらも、製品普及を促す出版や展示会インフラ、ネット上のインフラ(ポータルサイト)としてのヤフー、そして現在のブロードバンドなど、多様な展開をしてきた。 創業事業であるソフトウェア卸にはコンピューターウェーブ(現・丸紅インフォテック)という競合がいたし、それ以外にも出版ならインプレス翔泳社、ヤフーのライバルとしての楽天ライブドア、そしてブロードバンド事業のライバルであるイーアクセスや大手キャリア。 圧勝している事業も壮絶な戦いをしている事業もあるが、いずれにせよ、他社は各事業を手がける専業会社であるのに対し、ソフトバンクはその全てを手がける総合IT企業となっている。 これは、孫さんが創業時から「デジタル情報インフラ」という壮大なビジョンを掲げてきたからこそ生まれた、圧倒的な差ではないかと思う。 ▼そして阪急電鉄小林一三は鉄道事業を、単に鉄道を走らせるだけでなく、大衆文化事業・近代都市化事業であると捉えた。 だからこそ、鉄道をベースにして、ターミナル駅の開発、郊外住宅の建設、沿線への学校の誘致、映画会社(東宝)の設立、宝塚歌劇団と様々な事業を手がけてきた。 日本ではこの阪急モデルを、東急とはじめとするあらゆる企業が参考にし、同じく大成功を収めてきた。 そして今でも、基本的にはこのモデルの上で、多くの人々は暮らしを営んでいる。 (詳しくは分からないが、海外でこのようなモデルを聞いたことはない) ▼これらを通じて思うのは、冒頭でも述べたが、いかに自らの事業を定義づけるかが、事業の長期的な盛衰を左右するということ。 セコム、ソフトバンク、阪急。 どれも、一社でも産業といって良いほどの大きな企業だ。 こんなに大きくならず、この一つ一つの事業を軌道に乗せるだけでも、恐らく上場できるし大金持ちになれる。 (実際に、↑で比較対象として紹介した全ての企業は上場している。) でも、それでは恐らく僕の目指す世の中を実現することはできないし、新たな価値観を社会に打ち込むことはできない。 ▼より壮大に、より具体的に、自らの事業を定義づけること。 これは創業者として何よりも重要な命題であると思うし、今まさに、この命題に24時間取り組んでいる。 もちろん目先の仕事も、しっかりやってまっせ!